「来月から契約終了で」と言われたら
お役立ちガイド / 働き方
働き方

「来月から契約終了で」と言われたら

ある日突然、「来月いっぱいで契約を終了させてください」と告げられる——業務委託・面貸しで働く美容師にとって、これほど動揺する瞬間はないかもしれません。

収入源が急になくなる不安、抱えているお客様をどうするかという焦り、次の働き先が見つかるかという心配。気持ちが追いつかないまま、なんとなく流されてしまう方も少なくありません。

この記事では、契約解除を告げられたとき、あるいはその予感がするときに、慌てずに一つずつ確認・対応するための順番を整理しました。

個人事業主の美容師がひとりで抱える仕事

技術を磨き、お客様との関係を築き、集客のためにSNSも頑張ってきた——それなのに、契約という「働く場所」そのものが急になくなるかもしれない。この不安は、経験した人にしか分からない大きさがあると思います。

ただでさえ集客もカルテも確定申告もぜんぶひとりでこなす個人事業主にとって、契約終了への対応まで一人で抱えるのは本当に大変なことです。この記事は、動揺している状態でも順番通りに進められるよう、チェックリストのようにまとめました。

登録なし・1秒で試せるデモ画面はこちら サロンワンの売上・経費の管理を、登録なしで今すぐ体験(ゲストモード・保存はされません) 体験してみる →

まず確認すること:契約書の解約条項

契約解除を告げられたら、感情的に反応する前に、まず契約書に何が書かれているかを確認してください。ここが、その後の対応すべてのベースになります。

1
解約予告期間を確認する「解約の◯か月前までに通知」のような条項があるか。今回の通知はその期間を満たしているか。
2
解約の理由・条件を確認する正当な理由が必要とされているか、それとも自由に解約できる契約になっているか。
3
途中解約時の精算方法を確認する未払いの報酬、席料の日割りなど、お金の精算方法が明記されているか。
ポイント: 契約書が手元にない、または口頭だけの契約だった場合でも、慌てないでください。2024年11月に施行された「フリーランス新法」により、一定の契約には解除の予告ルールが定められています。詳しくは業務委託美容師を守る「フリーランス新法」とはをご覧ください。

予告期間が守られていないと感じたら

契約書に定められた予告期間や、フリーランス新法で求められる予告(一定期間以上続く契約について、原則30日前まで)が守られていないと感じた場合は、次のように動くことをおすすめします。

状況対応の考え方
契約書の予告期間が守られていない契約書のコピーを手元に置き、通知日と条項の期間を照らし合わせて記録する
口頭のみで、予告なく告げられたいつ・誰から・どんな内容を告げられたかを、日付とともにメモしておく
理由に納得できない感情的に反論する前に、まず事実関係を整理し、必要なら第三者に相談する

ここで大切なのは、「怒りをぶつける」のではなく「事実を記録する」ことです。冷静な記録は、後々サロンと話し合うときにも、専門家に相談するときにも、あなたを助けてくれます。契約内容の確認ポイントは業務委託・面貸し美容師が契約書で見るべき5か所も参考にしてください。

予告期間が守られていないと感じたら

未払い報酬・退店時の精算を確認する

契約終了が決まったら、お金まわりの精算も忘れずに確認しましょう。ここを曖昧にしたまま退店してしまうと、あとから請求しづらくなります。

30日前フリーランス新法が求める、原則的な解除予告の目安
記録が命未払い精算は自分の記録とサロン側の計算の突き合わせが基本
確認しておきたいお金の項目
  • 直近の売上・歩合の未払い分は、いつ・いくら支払われるか
  • 席料や材料費など、前払いしていた費用の返金・精算はあるか
  • 店販の在庫や、備品の買取・返却の扱いはどうなるか
  • 源泉徴収票や、確定申告に必要な書類は受け取れるか
ポイント: 退店が決まった時点の売上・報酬を、自分の記録と、サロン側の計算とで必ず突き合わせてください。バタバタしている時期ほど、計算のズレが起きやすくなります。日頃から請求書の書き方を参考に自分で記録をつけていれば、この突き合わせがスムーズになります。

未払いがあり、話し合いでも解決しない場合は、内容証明郵便での請求や、少額訴訟制度の利用、弁護士への相談といった選択肢もあります。金額や状況に応じて、無理のない範囲で検討してください。

顧客への引き継ぎ・お知らせはどうするか

契約終了で最も心が痛むのが、お客様への対応かもしれません。ここは契約書の競業避止条項や顧客情報の扱いに関わる、慎重に進めるべき部分です。

1
契約書の顧客情報条項を再確認する退店後の顧客への連絡や、顧客情報の持ち出しについて制限がないかを確認する。
2
サロン側と、お客様への伝え方をすり合わせる一方的に自分だけの判断で連絡するのではなく、サロン側とも認識をすり合わせておく。
3
引き継ぎが必要な情報を整理する後任のスタイリストがいる場合、薬剤履歴やお悩みなど、引き継ぐべき情報を整理する。
契約終了を告げられたとき、真っ先に頭をよぎったのは「お客様にどう伝えればいいのか」でした。契約書の競業避止条項を読み返し、サロンとも相談しながら進めたので、大きなトラブルにはならずに済みました。感情のまま動かなくてよかったと思っています。
— ひとりで頑張る美容師の実感

顧客情報の扱いに関する条項が厳しい、あるいは内容に納得できない場合は、専門家に契約書を見てもらうことをおすすめします。

次の働き先を探す・独立を検討する

契約終了は辛い出来事ですが、次のステップを考えるきっかけでもあります。慌てて次を決める前に、少し立ち止まって選択肢を整理してみましょう。

選択肢向いている人
別の面貸し・シェアサロンへ移るすぐに働く場所を確保したい、環境を変えたい
複数のサロンを掛け持ちする収入源を分散させ、リスクを減らしたい
自分の店を持つ・完全独立するある程度の顧客基盤・資金の準備ができている

面貸しサロンを新しく探す場合は面貸しサロンの選び方と料金相場を、複数の場所を掛け持ちする働き方に関心がある場合は、契約条件を今回以上に丁寧に確認することをおすすめします。今回の経験を踏まえ、次の契約では最初から確認すべきポイントを押さえておくことが、同じ思いを繰り返さないための備えになります。

今日からできること

今まさに契約終了に直面している方は、まず深呼吸をして、この記事のチェックリストを順番に確認してみてください。

今日からできること: 契約書を手元に用意し、「解約予告期間」「未払い報酬の精算方法」「顧客情報の条項」の3か所だけでも、今日中に確認してみましょう。それだけで、次に何をすべきかが具体的に見えてきます。

この記事は一般的な対応の流れを整理したものです。個別の契約内容や状況によって、取るべき対応は大きく変わります。金額の大きいトラブルや、契約内容に強い不満がある場合は、早めに弁護士や労働問題の相談窓口にご相談ください。

この記事のまとめ
  • 契約解除を告げられたら、感情的に反応する前に契約書の解約条項(予告期間・条件・精算方法)を確認する
  • 予告期間が守られていない場合、フリーランス新法のルールも踏まえ、事実関係を記録しておく
  • 未払い報酬・前払い費用の精算・確定申告に必要な書類の受け取りを、退店前に必ず確認する
  • 顧客への引き継ぎ・お知らせは、契約書の顧客情報条項を確認したうえで、サロン側とすり合わせて進める
  • 次の働き先探しは慌てず、面貸しへの移籍・掛け持ち・独立など複数の選択肢を整理してから判断する
Salon Oneで仕事を仕組み化して軽くする

契約が変わっても、記録はそのまま持ち運べる

Salon Oneは、お客様のカルテ・薬剤履歴・来店記録をアプリ上で管理できます。働く場所が変わっても、自分自身で積み上げてきたお客様との記録はそのまま手元に残しておけます。無料プランから使えます。

無料ではじめる

よくある質問

Q. 突然の契約解除は違法ではないのですか?

契約内容や解除の状況によって判断が変わります。フリーランス新法により、一定期間以上続く契約の中途解除・不更新には原則30日前までの予告が求められるようになりましたが、個別の適用は状況次第です。不安な場合は専門家にご相談ください。

Q. 未払いの報酬を請求したいのですが、どうすればいいですか?

まずは自分の記録(売上・歩合の計算)とサロン側の認識を照らし合わせ、書面やメールで確認を求めることから始めます。解決しない場合は、内容証明郵便での請求や、弁護士・少額訴訟制度の利用も選択肢になります。

Q. お客様に自分から連絡してもいいですか?

契約書に競業避止義務や顧客情報の扱いに関する条項がある場合、一方的な連絡がトラブルになることがあります。まず契約書を確認し、サロン側と伝え方をすり合わせることをおすすめします。

Q. 次の働き先が決まるまで、収入が心配です。何か備える方法はありますか?

雇用保険のような失業給付は原則対象外ですが、貯蓄や、複数のサロンを掛け持ちして収入源を分散させる働き方も選択肢の一つです。日頃からの記録や備えについては美容師の保険と年金もあわせてご覧ください。

Q. 契約解除を告げられて、何をすればいいか頭が真っ白になっています。

まずは一人で抱え込まず、この記事のチェックリストに沿って一つずつ確認することから始めてください。感情的な判断より先に、事実の記録を残すことが、後の対応をすべて楽にします。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。