1つに絞らなくてもいい
「1つのサロンに縛られず、複数の場所で働きたい」——業務委託・面貸しという働き方の自由度を活かして、複数のシェアサロン・面貸し先を掛け持ちする美容師が増えています。
収入源を分散できる、エリアを広げられるといったメリットがある一方で、スケジュール管理や契約上の注意点も増えます。この記事では、掛け持ちという働き方のメリット・デメリットと、実際にうまく回すためのコツを整理します。
「1つのサロンに骨をうずめる」という時代ではなくなってきました。とはいえ、掛け持ちという働き方は、まだ周りに相談できる相手が少なく、手探りで進めている方も多いはずです。
スケジュールも、売上の記録も、確定申告も——ただでさえ大変な個人事業主の「ひとりで全部やる」が、掛け持ちになるとさらに増えるのが正直なところです。この記事は、掛け持ちを検討している方、すでに掛け持ちしていて管理に悩んでいる方、どちらにも役立つように整理しました。
掛け持ちという働き方、向いている人・向いていない人
まず、掛け持ちがすべての人に向いているわけではないという前提から整理します。
| 向いている人 | 向いていない・慎重に検討したい人 |
|---|---|
| スケジュール管理が得意、または管理する仕組みを作れる人 | 予定管理が苦手で、ダブルブッキングが心配な人 |
| 複数エリアにお客様や見込み客がいる人 | 1店舗の売上だけでも手一杯な人 |
| 収入源を分散させてリスクを下げたい人 | 契約に競業避止・専属義務の条項がある人 |
掛け持ちのメリット
契約上の問題がクリアであれば、掛け持ちには次のようなメリットがあります。
特に、契約解除や条件変更のリスクを一つの場所に依存しないという点は、業務委託という不安定さを抱えて働く美容師にとって、大きな安心材料になります。

掛け持ちで起こりやすいトラブル
一方で、掛け持ちならではのトラブルもあります。事前に知っておくことで、防げるものがほとんどです。
- 予約のダブルブッキング(別々の店舗の予約管理アプリを使っていて気づかない)
- 契約書の専属義務・競業避止条項に、後から気づいて違反してしまう
- 移動時間の見積もりが甘く、片方の予約に遅刻してしまう
- それぞれの店舗の請求・報酬の締め日がバラバラで、収入の把握が追いつかない
これらの多くは、「事前の確認不足」と「一元管理できていないこと」が原因です。特に契約書の確認は、掛け持ちを始める前の最優先事項と考えてください。すでに契約している状態で掛け持ちを検討する場合は、サロン側に率直に相談してみることもおすすめします。まっとうなサロンであれば、専属義務がない契約なら特に問題視されないことも多いものです。
スケジュール管理のコツ
掛け持ちで一番重要なのが、スケジュール管理です。ここが崩れると、お客様の信頼を損なうことに直結します。
最初は2つの店舗の予約表を別々に手帳で管理していましたが、一度ダブルブッキングをしてしまい、お客様に大変な思いをさせてしまいました。それ以来、すべての予約を1つのアプリにまとめるようにしてから、管理のストレスが大きく減りました。— ひとりで頑張る美容師の実感
複数店舗の予約・売上・お客様情報を1か所で管理できる仕組みを持つことは、掛け持ちを続けるうえでの必須条件と言ってもよいでしょう。
確定申告での扱い方(複数取引先の収入は合算)
掛け持ちをしていると気になるのが、確定申告の扱いです。結論から言うと、複数の店舗からの報酬は、まとめて1つの確定申告で申告します。
| 項目 | 掛け持ちの場合の考え方 |
|---|---|
| 売上・報酬 | すべての店舗からの報酬を合算して、事業所得として申告する |
| 経費 | それぞれの店舗にかかった材料費・席料などを、まとめて経費として計上する |
| 支払調書 | 店舗ごとに発行されることが多いので、すべて保管しておく |
売上管理の基本的な考え方は売上管理のやり方もあわせて参考にしてください。掛け持ちだからこそ、日々の記録を1か所にまとめておく習慣が、確定申告の負担を大きく左右します。
今日からできること
掛け持ちを検討している方は、まず今の契約書を確認するところから始めましょう。すでに掛け持ちをしている方は、予約管理が1か所にまとまっているかを見直してみてください。
掛け持ちは、正しく管理できれば収入とキャリアの選択肢を広げてくれる働き方です。契約内容の確認とスケジュール管理さえ押さえておけば、無理なく続けられます。
- 掛け持ちを始める前に、契約書に専属義務・競業避止の条項が無いかを必ず確認する
- メリットは収入の分散、エリアの拡大、複数のサロン文化に触れられること
- よくあるトラブルはダブルブッキング、契約違反、移動時間の見積もり不足、締め日の把握漏れ
- スケジュール管理は、すべての予約を1つのカレンダー・アプリに集約するのが最も効果的
- 確定申告は店舗ごとに分ける必要はなく、すべての報酬・経費を合算して1つの申告書にまとめる
複数店舗の記録も、これひとつで
Salon Oneなら、複数の店舗で働いていても、お客様のカルテ・予約・売上をひとつのアプリにまとめて記録できます。店舗ごとの売上を分けて把握しつつ、確定申告用の集計もまとめて行えます。無料プランから使えます。
無料ではじめるよくある質問
Q. 掛け持ちは契約違反になりませんか?
契約書に専属義務や競業避止の条項がある場合、契約違反になる可能性があります。掛け持ちを始める前に、必ず現在の契約書を確認し、不明な点はサロン側に確認してください。
Q. 複数店舗のスケジュールを、どう一元管理すればいいですか?
すべての予約を1つのカレンダー・アプリにまとめることが基本です。店舗ごとに別々のツールを使うと、ダブルブッキングのリスクが高まります。
Q. 確定申告は店舗ごとに分けて申告する必要がありますか?
必要ありません。すべての店舗からの報酬・経費を合算して、1つの確定申告書にまとめます。ただし店舗ごとの売上を分けて記録しておくと、判断材料として役立ちます。
Q. 掛け持ち先が増えるほど、経費の管理も複雑になりませんか?
記録する場所を1つにまとめておけば、店舗数が増えても大きく複雑になることはありません。経費にできるものの一覧もあわせてご覧いただくと、判断がしやすくなります。
Q. 掛け持ちを始めるタイミングの目安はありますか?
決まったタイミングはありませんが、1店舗での売上・スケジュールに余裕が出てきたときや、契約更新のタイミングで検討する方が多いようです。まずは契約書の確認から始めてみてください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。