健康診断、会社員なら当たり前だけど。ひとり美容師はどうする?
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健康診断、会社員なら当たり前だけど。ひとり美容師はどうする?

会社員として働いていた頃は、年に一度、会社が健康診断の日程を決めて案内してくれていました。独立してフリーランスや面貸しで働くようになると、その仕組みは無くなり、健康診断を受けるかどうかも、いつ受けるかも、すべて自分で決めて動く必要があります

この記事では、ひとりで働く美容師が健康診断とどう向き合えばいいか、受け方や続けるための工夫を整理しました。

技術と同じくらい、自分の体も大切な資本です。まずは現状を知ることから始めてみましょう。

個人事業主の美容師がひとりで抱える仕事

「そういえば、もう何年も健康診断を受けていない」——独立してから、そんな状態になっている美容師は少なくありません。日々の売上や予約対応に追われる中で、自分の体のことは後回しになりがちです。

代わりに施術してくれる人がいない一人美容師にとって、自分の体は何よりの資本です。それでも「今すぐ困っていないから」と、つい先延ばしにしてしまう気持ちもよくわかります。この記事が、後回しにしていたことに向き合う小さなきっかけになれば幸いです。

「困ったことがないから大丈夫」という感覚は、実際に何かが起きるまで続いてしまいがちです。だからこそ、まだ元気なうちに、確認する習慣をつけておくことに意味があります。

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会社員と個人事業主、健康診断の違い

会社員(労働者)は、労働安全衛生法により、事業者が年1回以上の健康診断を実施することが義務付けられています。一方、個人事業主やフリーランスにはこの義務がなく、受けるかどうかも、費用の負担も、すべて自分次第になります。

会社員個人事業主・フリーランス
実施義務事業者に義務あり(年1回以上)義務なし
費用負担会社が負担することが多い基本的に自己負担
受診の案内会社から案内が来る自分で申し込む必要がある

「義務が無い」ということは、「受けなくていい」という意味ではありません。むしろ、誰も声をかけてくれない分、自分で意識して機会をつくる必要があります。会社員時代は当たり前だった仕組みほど、独立した後にその存在の大きさに気づくものです。健康診断だけでなく、予防接種や人間ドックのオプション検査なども、同じように自分で調べて申し込む必要があります。

どこで、どうやって受けられるのか

フリーランスでも、健康診断を受けられる窓口はいくつかあります。

1
市区町村の特定健診・がん検診国民健康保険に加入していれば、一定年齢から特定健診を受けられる自治体が多くあります。
2
人間ドック(医療機関)費用は自己負担になりますが、より詳しい検査項目を選べます。
3
国民健康保険組合の補助制度美容業の組合など、加入している組合によっては健診費用の補助が受けられることがあります。
ポイント: 自分がどの健康保険(市区町村国保か、国民健康保険組合か)に加入しているかによって、使える制度が異なります。フリーランス美容師の社会保険・年金もあわせて確認しておくと、健診の補助制度も見つけやすくなります。加入している自治体や組合のホームページを一度確認するだけでも、意外と知らなかった補助制度が見つかることがあります。
どこで、どうやって受けられるのか

費用は経費にできる?税務上の考え方

健康診断や人間ドックの費用は、原則として事業の経費にはできません。個人の健康管理のための支出とみなされるためです。

誤解しやすいポイント
  • 『美容師の仕事に必要だから経費になる』は誤り。基本的には個人的な支出として扱われる
  • ただし、著しく高額な診断や特定の検査でない限り、医療費控除の対象になることがある

健康診断自体は医療費控除の対象になりにくい一方、その結果、重大な疾病が見つかり治療を受けた場合は、その治療費が医療費控除の対象になることがあります。医療費控除の考え方は医療費控除で詳しく整理しています。

『時間が取れない』を乗り越える工夫

健康診断を先延ばしにする最大の理由は、多くの場合「まとまった時間が取れない」ことです。

1
閑散期に予約を入れる予約が少ない時期をあらかじめ確保しておく。
2
定休日や早朝・夜間対応のある医療機関を探す診療時間が長い、または休診日以外に受けられる施設を選ぶ。
3
1年に1回、決まった時期を『健診月』として決めておく誕生月や年度替わりなど、忘れにくいタイミングに固定する。

閑散期の使い方全般は美容師の閑散期、何から手をつければいい?も参考にしてください。予約の空き時間を技術練習だけでなく、こうした自分の体のメンテナンスに充てる発想も大切です。

体の不調は、経営リスクでもある

代わりに施術する人がいない一人美容師にとって、体調不良や病気の発覚が遅れることは、そのまま長期間の休業リスクにつながります。立ち仕事特有の負担については腰痛や腱鞘炎、我慢していませんか?一人美容師の体調管理で詳しく整理していますが、日々の負担への対策と、定期的な健康診断はどちらも欠かせない備えです。

早期発見定期的な健診は、重大な疾病を早く見つける機会になる
長期休業の回避早期発見・早期対応が、長期間の休業リスクを減らす

『誰も言ってくれない』からこそ、自分で決める

会社員時代は当たり前だった健康診断も、独立すれば自分で申し込み、自分でスケジュールを確保しない限り、一生受けないまま過ごすこともできてしまいます。だからこそ、意識して機会をつくることが大切です。

今日からできること: まずは自分がどの健康保険に加入しているかを確認し、利用できる健診制度が無いか調べてみましょう。忙しい時期を避けて、1年のうちどこかに『健診月』を決めておくだけでも、先延ばしを防ぎやすくなります。

技術を長く提供し続けたいと願うなら、その土台となる自分の体のメンテナンスも、施術の練習や経営の勉強と同じくらい大切な投資だと考えてみてください。

健診結果で気になる数値が出たときも、忙しさを理由に再検査を先延ばしにしてしまう人は少なくありません。結果を受け取ったその日のうちに、次の受診予定を決めてしまうくらいの気持ちで向き合うことをおすすめします。先延ばしにした分だけ、後で自分自身に負担が返ってくることを忘れないようにしましょう。体は、何よりも大切な仕事道具のひとつであることを、忘れずにいたいものです。

この記事のまとめ
  • 会社員と違い、個人事業主・フリーランスには健康診断の実施義務がなく、自分で動く必要がある
  • 市区町村の特定健診、人間ドック、国保組合の補助制度など受診できる窓口がある
  • 健康診断の費用は原則経費にならないが、その後の治療費は医療費控除の対象になり得る
  • 閑散期の活用や『健診月』を決めておくことで、先延ばしを防ぎやすくなる
  • 一人美容師にとって体調不良は経営リスクでもあり、早期発見が長期休業の回避につながる
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よくある質問

Q. フリーランス美容師も健康診断を受ける義務はありますか?

法律上の義務はありません。ただし、義務が無いことと受けなくていいことは別で、自分の判断で機会をつくることが大切です。

Q. 健康診断の費用は経費にできますか?

原則としてできません。個人の健康管理のための支出とみなされます。ただし、診断後の治療費は医療費控除の対象になることがあります。

Q. どこで健康診断を受ければいいですか?

市区町村の特定健診・がん検診、医療機関の人間ドック、加入している国民健康保険組合の補助制度など、いくつかの選択肢があります。自分の加入状況を確認してみましょう。

Q. 何歳から健康診断を受け始めればいいですか?

決まった年齢はありませんが、多くの自治体の特定健診は40歳以上を対象としています。年齢に関わらず不調を感じたら早めに医療機関を受診し、定期的な健診も並行して検討しましょう。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。