他のサロンから移ってきたお客様、うまく迎えられていますか?
独立・開業したばかりの頃や、面貸し先を変えたタイミングでは、これまで別のサロン・別の担当に通っていたお客様を新しく迎えることがあります。過去の施術歴が分からない状態でのカウンセリングは、いつも以上に丁寧さが求められます。
この記事では、他のサロンから移ってきたお客様を迎えるときに、初回カウンセリングで何を聞き、カルテにどう残しておくと以降の接客がスムーズになるかを整理します。
「前のサロンではどんな施術をしていたのか分からない」「アレルギーや薬剤の相性は大丈夫か」——初めてお迎えするお客様に対して、こうした不安を抱えたままカウンセリングに臨んだ経験はありませんか。情報が少ない状態は、施術する側にとっても、任せる側のお客様にとっても、決して安心できるものではありません。
だからこそ、「分からないことを、正直に、順序立てて聞く」姿勢と、「聞いたことを次に活かせる形で残す」仕組みの両方が大切になります。最初のカルテ作りに少し時間をかけることが、その後の信頼関係を大きく左右します。逆に言えば、初回さえ丁寧に対応できれば、移籍してきたお客様ほど「ちゃんと向き合ってくれる」という印象を強く持ってもらいやすいとも言えます。
なぜ初回のカウンセリングがいつも以上に重要なのか
長く通っているお客様であれば、過去の来店履歴や薬剤の記録から自然と分かることが、移籍してきたばかりのお客様には一切ありません。ゼロから信頼関係と情報を積み上げていく必要があります。
「前のサロンと同じにしてほしい」と言われても、再現するための情報がなければ応えようがありません。だからこそ、初回のカウンセリングで丁寧に聞き取ることが、結果的にお客様の安心にもつながります。時間をかけて聞く姿勢そのものが、「この担当は信頼できそうだ」という第一印象につながることも少なくありません。
初回カウンセリングで聞いておきたいこと
他店から移ってきたお客様には、通常のカウンセリング項目に加えて、次のような点を意識して聞いておくと安心です。
特に③の「変えようと思った理由」は、無理に聞き出そうとせず、お客様が話してくれる範囲で構いません。話しにくい話題であることを理解した上で、自然な会話の中で引き出す意識が大切です。

聞きにくいことを、どう聞くか
「前のサロンでのトラブル」や「担当を変えた理由」は、デリケートな話題になりやすいポイントです。聞き方を間違えると、かえってお客様を身構えさせてしまいます。
- 「前のサロンで何か嫌なことがあったんですか?」と直接的に踏み込みすぎる
- 前のサロンや担当者を、憶測で否定的に評価するような相槌を打ってしまう
- アレルギー確認を事務的に済ませ、お客様の不安に寄り添わない
「今回、どんな仕上がりを目指しましょうか」という前向きな質問から入り、必要な情報は会話の流れの中で自然に確認していく方が、お客様も答えやすくなります。他サロンへの否定的なコメントは、自分からは絶対にしないよう心がけましょう。
聞いた内容を、カルテにどう残すか
せっかく丁寧に聞き取っても、記録として残さなければ、次回以降に活かせません。特に移籍してきたお客様は情報の土台がないため、初回の記録の質がその後の接客品質を左右します。
| カルテの項目 | 記録のポイント |
|---|---|
| 施術歴 | 本人からの申告ベースであることを明記しつつ、直近の施術内容を記録 |
| アレルギー・注意事項 | 本人の申告内容をそのまま残し、パッチテストの実施有無も記録 |
| 好み・要望 | 「前回までの好み」と「これからの希望」を分けて記録 |
| 会話のメモ | 次回の会話のきっかけになる、雑談内容も簡単に残しておく |
「本人からの申告」であることをカルテ上で分かるようにしておくのも大切なポイントです。実際に施術しながら得られた気づきと、聞き取った情報を、少しずつ区別して積み重ねていきましょう。
2回目以降で、関係を深めていく
初回だけで完璧な情報が集まるとは限りません。2回目・3回目の来店を通じて、少しずつ記録を補っていくという考え方で十分です。
移籍してきたお客様ほど、「ちゃんと自分のことを覚えてくれている」という実感が信頼につながります。前回の会話や好みをさりげなく覚えていて、次回に活かせている——それだけで、他店との違いを感じてもらえるはずです。逆に、前回話した内容を忘れてしまっていると、「結局どこも同じか」という失望につながりかねません。だからこそ、記録を残す一手間が大きな差になります。
情報を残す仕組みが、接客の質を支える
紙のカルテでもアプリでも、「聞いたことを、次に活かせる形で残す」という考え方自体は変わりません。ただ、移籍してきたお客様の情報は特に量が多くなりがちで、あとから見返しやすい形で整理しておく価値が高いといえます。
Salon Oneのカルテ機能では、来店履歴・薬剤レシピ・お悩みなどをまとめて記録し、次回来店時にすぐ振り返ることができます。「初めまして」から始まった関係を、少しずつ「いつもの担当」に変えていくための土台として、記録の仕組みを活用してみてください。手書きのメモが増えて管理しきれなくなる前に、最初から検索・振り返りのしやすい形で残しておくと、後々の負担も軽くなります。
- 移籍してきたお客様には過去の情報がないため、初回カウンセリングの丁寧さが、その後の関係を大きく左右する
- 施術歴・アレルギー・要望に加え、「前のサロンを変えた理由」も、聞けるようであればヒントになる
- デリケートな話題は前向きな質問から入り、他サロンへの否定的なコメントは避ける
- 聞いた内容は「本人からの申告」と分かる形で記録し、次回以降に活かせるようにしておく
- 初回で完璧を目指さず、2回目以降で少しずつ記録を補っていく姿勢で十分足りる
よくある質問
Q. 前のサロンに施術内容を問い合わせてもいいですか?
お客様の個人情報にあたるため、本人の同意なく前のサロンに直接問い合わせることは避けるべきです。情報は必ず本人からの申告というかたちで確認しましょう。
Q. アレルギーの確認は、どのタイミングでするのが自然ですか?
カウンセリングの最初の段階で、施術内容の相談と合わせて確認するのが自然です。「安全に施術するために必ず確認しています」と一言添えると、事務的な印象になりにくくなります。
Q. パッチテストは移籍してきたお客様にも毎回必要ですか?
薬剤によっては推奨されるケースがあります。使用する薬剤のメーカーが定める基準や、これまでの利用経験を踏まえて判断しましょう。不明な点はメーカーの案内を確認することをおすすめします。
Q. 前のサロンへの不満を話された場合、どう返せばいいですか?
同調して前のサロンを一緒に批判するのではなく、「そうだったんですね」と受け止めたうえで、自分がこれからどう対応していきたいかを伝える姿勢が望ましいです。
Q. 初回で聞ききれなかった情報は、いつ確認すればいいですか?
無理に初回で聞き切る必要はありません。2回目以降の来店時に、自然な会話の中で少しずつ確認し、カルテに追記していく形で十分です。焦って全てを埋めようとするより、少しずつ関係を深めていく方が、お客様にとっても自然に感じられます。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。