メンズパーマ、なぜ今わざわざ力を入れる価値があるのか
集客

メンズパーマ、なぜ今わざわざ力を入れる価値があるのか

「メンズのお客様も来るけど、カットだけで帰ってしまう」——そう感じたことはありませんか。パーマというと、女性のお客様向けの提案という思い込みが根強くありますが、実はメンズパーマこそ、ひとりで集客も技術も抱える美容師にとって相性のいい商材かもしれません。

この記事では、なぜメンズパーマにあえて力を入れる価値があるのか、利益構造・市場の空白・お客様の意識の変化という3つの角度から整理しました。特別な技術や高額な設備投資の話ではなく、今の技術のままでも取り組める視点の話です。

また、価格改定や新メニューの導入と違って、パーマの提案は今日の予約からすぐに試せるという手軽さもあります。設備を増やす必要も、大きな仕入れも要りません。

個人事業主の美容師がひとりで抱える仕事

集客もSNSもカルテ記入も予約対応も、全部ひとりでやっていると、正直「新しい客層を開拓する」余裕なんて無いように感じます。目の前の予約を回すだけで一日が終わってしまう。僕自身、現場にいたころは、メンズのお客様には「とりあえずカットだけ」で提案を止めてしまっていました。

でも、あとから振り返ると、あの「カットだけで終わらせていた時間」こそが、いちばんもったいなかったのかもしれません。同じ椅子・同じ時間で、もう一段高い提案ができたはずだからです。

今のお客様との関係を変える必要はありません。ただ、いつもの会話にひとこと選択肢を足すだけで、見える景色が変わることがあります。

登録なし・1秒で試せるデモ画面はこちら サロンワンの集客まわりの機能を、登録なしで今すぐ体験(ゲストモード・保存はされません) 体験してみる →

①施術時間が短いのに、単価は上げやすいという構造

メンズの施術は、女性客と比べて1回あたりの施術時間が短くなりやすいという特徴があります。ブロー・セットの工程が比較的シンプルなため、回転率を高めやすいのです。

ここで見落としがちなこと
  • 「時間が短い=単価も低くていい」と考えてしまう
  • カットだけで完結させ、付加価値の提案をしないまま終える

ここにパーマという付加価値を乗せると、短い施術時間はそのままに、客単価だけを引き上げられるという構造が生まれます。たとえば、カットのみで1万円台前半、カット+パーマで2万円前後という価格設定を成立させている店舗の例もあります(金額は一例で、地域・客層によって適正水準は変わります)。

短時間女性客より施術時間が短くなりやすい
高単価化パーマ提案で客単価を引き上げやすい

結果として、「人時生産性」と「客単価」の両方を高い水準で設計できるのが、メンズパーマという商材の強みです。客単価を上げる工夫もあわせて参考にしてください。

もう少し具体的に見てみましょう。カットのみだと、施術時間はおよそ30〜40分程度で完結することが多く、1日にこなせる人数は自然と増えます。ここにパーマを組み合わせると、施術時間は伸びるものの、その分の単価も上乗せできるため、「時間あたりの売上」で見ると決して悪くない、むしろ良くなるケースが多いのです。カットだけを回し続けるより、一定の割合をパーマ提案に置き換えるほうが、結果として1日の売上が安定しやすくなります。

②「やってはいるが、誰も本気を出していない」市場の空白

メンズパーマという言葉自体は、決して新しいものではありません。ただ、多くのサロンでは「メニューにはあるが、価格もデザインも打ち出しも整理されていない」という状態にとどまっているのが実情です。

これは裏を返せば、専門性をはっきり掲げるだけで、その地域・その客層の中で「第一想起」を取れる余地が残っているということです。すでに激戦区になっている女性向けカラーやトリートメントと違い、メンズパーマは「本気でやっている店」がまだ少ない分野だと言えます。

ポイント: 大きな設備投資や新しい技術がなくても、「うちはメンズパーマに強い」と言い切るだけで、単価アップ・新規集客・専門店としての印象づけを同時に狙える状態がまだ残っています。

特に地方や郊外のエリアでは、この傾向がさらに顕著です。都市部ではメンズ専門を掲げる店舗も増えてきましたが、少し離れたエリアに行くと、まだ「なんとなくメニューにパーマがあるだけ」という店舗が大半です。競合が本気を出していないうちに、専門性を掲げて先に認知を取っておくことには大きな意味があります。後から追いつこうとするより、今のうちに動くほうが圧倒的に労力が少なく済みます。

「空白地帯」という言葉は大げさに聞こえるかもしれませんが、実際に近隣の競合サロンのメニュー表やSNSを見比べてみると、メンズパーマをしっかり打ち出している店舗は思ったより少ないはずです。まずは自分の商圏で、本当に空白があるかどうかを確認してみることから始めても良いでしょう。

②「やってはいるが、誰も本気を出していない」市場の空白

③「理容文化」から「メンズ美容文化」への移行

もうひとつ押さえておきたいのが、お客様側の意識の変化です。従来の男性の髪型に対する意識は、「カットして整えるだけ」の理容文化が中心でした。しかし近年は、「自分の悩みを解決したい」「自分らしさを表現したい」という美容文化へと広がりを見せています。

1
悩み解決としてのパーマくせ毛を活かしたい、朝のセット時間を短くしたいという実利的な動機。
2
自己表現としてのパーマSNSで見た理想のスタイルに近づけたいという動機。
3
ジャンルの広がりヘアだけでなく、メンズメイクなど周辺ジャンルにも多様性が浸透しつつある。

「男性はシンプルなカットだけを求めている」という前提そのものが、少しずつ変わってきています。この変化に気づいているサロンが、まだ多くないのです。

この変化を後押ししているのが、SNSの存在です。以前は「美容院で相談して決める」のが一般的でしたが、今はSNSで理想のスタイルを見つけてから来店するお客様が増えています。パーマは、写真や動画で見たスタイルを再現しやすい施術のひとつでもあります。「このイメージに近づけたい」という具体的な要望を持って来店するお客様が増えているからこそ、こちらがパーマという選択肢を用意しておくことの価値が上がっているのです。

ダイバーシティ(多様性)への理解が進んだことも、この流れを後押ししています。「男性らしさ」の型にとらわれず、自分に似合うものを自由に選ぶという価値観が広がるほど、パーマという選択肢へのハードルは下がっていきます。

④メニューと打ち出しを絞ると、かえって選ばれやすくなる

メンズ向けの店舗の多くが抱えている課題は、「メニューが曖昧」「強みが不明確」「何を売っている店なのか伝わらない」という点です。あれもこれも対応できることをアピールするより、「何屋なのか」を一言で言えるくらいまで絞り込むほうが、限られた発信力・限られた時間の中で効果を出しやすくなります。

ひとりで集客からSNS発信まで担っている美容師ほど、この「絞り込み」の効果は大きくなります。全方位に強みをアピールする体力は無くても、「メンズパーマなら、ここ」という一点なら、少ない発信量でも印象に残せる可能性があります。選ばれる理由のつくり方も、あわせて参考になります。

絞り込みは、値段や技術の話だけではありません。SNSでどんな写真を発信するか、どんな言葉で紹介するかまで一貫させることが大切です。カット・カラー・トリートメント・パーマとあれもこれも均等に発信するより、「メンズパーマが得意です」という軸を繰り返し発信するほうが、見た人の記憶に残ります。ひとりで発信を続けるからこそ、テーマを絞ったほうが、続けやすく、伝わりやすくなります。

絞り込みに不安を感じる方もいるかもしれません。「幅広く対応できたほうが、お客様を逃さないのでは」という考え方も一理あります。ただし発信力・時間が限られているひとり経営では、広く浅くよりも、狭く深く伝えるほうが結果的に届く人数が増えることも少なくありません。まずはメンズパーマという軸を試験的に立ててみて、反応を見ながら調整していく形で十分です。

⑤メンズは「ゴール」ではなく、経営を安定させる手段

最後に、視点を少し引いて考えてみます。メンズパーマへの注力は、それ自体が目的というより、事業を安定させるための一つの選択肢と捉えるのがおすすめです。

短い施術時間で客単価を確保できる客層を持っておくことは、忙しい時期・そうでない時期の波を均すことにもつながります。女性客中心の予約が埋まりにくい時間帯にメンズのお客様を組み込む、といった使い方も考えられます。専門特化とユニセックスな対応は、対立する話ではなく、両立させることで収益基盤を厚くするという関係にあります。

収益基盤という観点では、客層をひとつに寄せすぎないことも長期的なリスク管理になります。トレンドやライフステージの変化で、ある客層の来店が落ち着く時期は必ず訪れます。女性客・メンズ客の両方に対応できる体制を持っておくことは、特定の客層に依存しすぎない経営という意味でも理にかなっています。

今日からできること: まずは、次に来店されるメンズのお客様1人に対して、カットだけで終わらせず「くせを活かす」「朝のセットを楽にする」といった切り口でパーマを一言提案してみてください。断られても構いません。提案すること自体が、次の機会につながります。

小さく始めるなら、どこから手をつけるか

いきなり「メンズパーマ専門」を掲げる必要はありません。まずは小さく試して、反応を見るところから始めるのが現実的です。

1
既存のメンズ客に、施術後の一言で提案してみる「くせが気になるなら、パーマで扱いやすくする方法もあります」程度の軽い一言で十分です。
2
ビフォーアフターを1件、記録・発信してみる写真1枚からで構いません。反応があれば、それが最初の手応えになります。
3
価格とメニュー名を、それらしく整えてみる「メンズパーマ(くせ毛カバー)」のように、悩みが伝わる名前をつけるだけでも印象が変わります。

大きな投資をする前に、今のお客様・今の技術の範囲でどれだけ反応があるかを試す。そのうえで手応えを感じたら、少しずつ発信量や提案の頻度を増やしていく——という順番が、ひとりで運営するサロンには無理のないやり方です。ビフォーアフター写真の撮り方も参考にしてみてください。

反応が良くなかったとしても、それ自体が失敗ではありません。どの言い方・どの写真・どの価格帯なら響くのかを、少しずつ調整していく材料になります。

この記事のまとめ
  • メンズは施術時間が短くなりやすい一方、パーマなどの付加価値提案が成立しやすく、人時生産性と客単価の両方を高水準で設計しやすい
  • メンズパーマは「やってはいるが本気の店が少ない」市場の空白地帯であり、専門性を掲げるだけで第一想起を取れる余地がある
  • お客様の意識は「理容文化(カットのみ)」から「美容文化(悩み解決・自己表現)」へ移行しつつある
  • メニュー・打ち出しを絞り込むほど、限られた発信力でも印象に残りやすくなる
  • メンズ特化はゴールではなく、繁閑の波を均し経営を安定させるための手段。ユニセックス対応と両立できる
Salon Oneで仕事を仕組み化して軽くする

メンズのお客様の要望・提案の記録を、カルテに残す

Salon Oneでは、お客様ごとの要望や提案した内容をカルテに残し、次回来店時にすぐ振り返れます。メンズパーマの提案を一度で終わらせず、次につなげる記録づくりに使えます。

無料ではじめる

よくある質問

Q. メンズパーマは特別な技術や薬剤が必要ですか?

この記事では技術面ではなく、メンズパーマに取り組む価値そのものを整理しています。実際の薬剤選定や技術的なポイントは、使用しているメーカーの資料や講習で個別に確認することをおすすめします。

Q. 女性客中心のサロンでも、メンズパーマに力を入れる意味はありますか?

あります。施術時間が短く回転率を高めやすいメンズ客は、女性客の予約が埋まりにくい時間帯を埋める役割も果たせます。専門特化と客層の分散は両立できる考え方です。

Q. 価格はどのくらいに設定すればいいですか?

地域や客層によって適正な水準は異なります。記事中の価格例はあくまで一例です。まずは近隣の相場やご自身の技術力・所要時間を踏まえて、無理のない範囲で設定することをおすすめします。

Q. メンズ客に提案してもあまり反応がありません。どうすればいいですか?

一度断られても、提案したこと自体が次回来店時の記憶として残ります。くせ毛や朝のセット時間など、実利的な悩みに寄せた提案から始めると受け止められやすくなります。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。