内装、自分でやる?プロに頼む?開業時の判断基準
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内装、自分でやる?プロに頼む?開業時の判断基準

開業費用の中でも大きな割合を占める内装費。少しでも費用を抑えるために、壁の塗装や棚の設置などを自分で行う、いわゆる「DIY内装」を選ぶ美容師も増えています。ただし、すべてを自分でやろうとすると、かえって時間もお金もかかってしまうこともあります。

この記事では、DIYで対応できる範囲と、プロに任せるべき部分の見極め方を整理しました。

お店づくりへの愛着と、安全で長く使える環境。その両方を無理なく手に入れるためのヒントとして、参考にしてください。

個人事業主の美容師がひとりで抱える仕事

開業資金は限られている中で、できるだけ自分の手でお店を作り上げたいという気持ちは、とても自然なものです。SNSで見かけるおしゃれなDIY事例を見て、「自分にもできそう」と感じることもあるでしょう。

一方で、見た目だけを真似してしまうと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。この記事では、憧れと現実のバランスを取るための考え方を整理します。

開業準備は、内装以外にも決めることが山積みです。すべてを自分でやろうと抱え込みすぎず、任せるところは任せる、という判断も、開業を成功させるための大切なスキルのひとつです。

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DIYと業者依頼、費用の違い

まず前提として、DIYと業者依頼では、費用にどのくらいの差が出るのかを整理しておきましょう。

DIY業者依頼
費用材料費が中心で抑えられる材料費+施工費・人件費がかかる
仕上がり技術や経験によってばらつきが出る安定した仕上がりが期待できる
時間準備・作業に想定以上の時間がかかりやすいスケジュールが見積もりの時点で明確

費用だけを見ればDIYに軍配が上がりますが、時間や仕上がりの安定感まで含めて考えると、一概にどちらが得とは言い切れません。

特に開業準備の時期は、物件契約や設備選定、集客の準備など、やることが山のようにあります。そこに慣れない作業への時間まで加わると、想定していたオープン時期がずれ込んでしまうことも珍しくありません。

DIYで対応しやすい範囲

専門的な資格や技術が不要な部分は、DIYでの対応が現実的です。

1
壁や天井のペイント色選びから塗装まで、比較的挑戦しやすい作業です。
2
棚・什器の設置や装飾市販の家具やDIYキットを活用して、店内の雰囲気づくりができます。
3
照明・小物のコーディネート電気工事を伴わない範囲であれば、自分の好みを反映しやすい部分です。

これらは失敗しても大きな事故や法令違反にはつながりにくく、やり直しがきく範囲でもあります。まずはこうした部分から着手するのが、DIYとの付き合い方として現実的です。

SNSで見かける海外風のインテリアや、こだわりの照明なども、多くはこの範囲に収まります。時間をかけて少しずつ手を加えていけるのも、DIYならではの楽しみ方だといえるでしょう。週末ごとに少しずつ進めることで、開業までの過程そのものを楽しめるという声もよく聞かれます。

DIYで対応しやすい範囲

プロに任せるべき範囲

一方で、次のような工事は、専門知識・資格が必要だったり、失敗したときのリスクが大きかったりするため、プロに任せることを強くおすすめします。

DIYでのトラブルが起きやすい工事
  • 電気工事(配線の増設・コンセントの追加など):資格が必要で、無資格施工は法令違反になり得る
  • 水道・排水管の工事(シャンプー台の設置など):漏水事故につながるリスクが高い
  • 壁の撤去・造作など建物の構造に関わる工事:物件の原状回復義務にも影響する

特に電気・水道まわりの工事は、安全面だけでなく、賃貸物件であれば大家さんとの契約条件にも関わってきます。物件契約の確認ポイントは退去費用、まさかの高額請求?美容室の原状回復と造作譲渡でモメないためにも参考にしてください。無資格でのDIYが原因でトラブルが起きた場合、火災保険の補償対象外になってしまう可能性もあるため、『できそうだから自分でやる』という判断は特に慎重にしましょう。

判断の基準を、3つの観点で整理する

DIYかプロ依頼か迷ったときは、次の3つの観点で考えると判断しやすくなります。

安全性失敗した場合、事故や法令違反につながるか
やり直しのコスト失敗した場合、修正にどれだけの費用・時間がかかるか
ポイント: 「安全性に関わるか」「やり直しのコストが大きいか」のどちらかに当てはまる作業は、プロに任せる方が結果的に安く済むことが多いです。DIYは、失敗してもやり直しがきく範囲に絞るのが安全な進め方です。

『一部DIY』という選択肢

全部を業者に任せるか、全部を自分でやるかの二択である必要はありません。多くの開業事例では、構造や配線・配管に関わる部分はプロに依頼し、仕上げの装飾部分だけDIYするという組み合わせが選ばれています。

工程担当
電気・水道工事、壁の解体・造作専門業者
塗装、什器の設置、装飾DIY

この方法は「セルフビルド」とも呼ばれ、開業費用を抑えたい美容師の間でも広まりつつある考え方です。業者に依頼する際も、「どこまでを業者に任せ、どこからを自分で仕上げるか」をあらかじめ伝えておけば、見積もりを抑えられることがあります。開業時の資金計画全体は開業資金、融資だけが方法じゃない?美容師のお金の集め方もあわせてご覧ください。

『こだわり』と『安全』のバランスを

自分の手で作り上げたお店には、特別な愛着が生まれます。ただし、その愛着のために、安全面や法令面でのリスクを負ってしまっては本末転倒です。DIYとプロ依頼を上手に組み合わせることで、費用を抑えながらも、安心して長く使えるお店を作ることができます。

今日からできること: まずは開業したい内装のイメージを、工程ごとに書き出してみましょう。そのうえで、電気・水道・構造に関わる部分と、装飾的な部分を仕分けし、業者に依頼する範囲を早めに絞り込んでおくと、見積もりの比較もしやすくなります。

内装業者を探すときは、美容室の施工実績があるかどうかも確認しておくと安心です。一般的な住宅リフォームと、シャンプー台の配管や換気、電源容量など美容室特有の要件は勝手が異なるため、実績のある業者であれば思わぬ見落としを防ぎやすくなります。見積もりを複数の業者から取り、金額だけでなく、美容室工事の経験について具体的に質問してみることをおすすめします。過去の施工写真を見せてもらえると、仕上がりのイメージもつかみやすくなります。焦らず比較検討する時間を確保しましょう。

この記事のまとめ
  • DIYは材料費中心で費用を抑えられるが、時間や仕上がりにばらつきが出やすい
  • 壁や天井の塗装、什器の設置・装飾はDIYで対応しやすい範囲
  • 電気工事・水道配管・構造に関わる工事は資格や安全面からプロに任せるべき
  • 『安全性』と『やり直しのコスト』の2軸で判断すると迷いにくい
  • プロ依頼とDIYを組み合わせる『一部DIY』が現実的な選択肢になりやすい
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よくある質問

Q. 電気工事は資格が無くてもできますか?

コンセントの増設や配線工事など、一定の電気工事には電気工事士の資格が必要です。無資格での施工は法令違反になり得るため、必ず有資格の業者に依頼してください。

Q. DIYで一番失敗しやすいのはどこですか?

水道・排水管まわりの作業です。漏水事故につながるリスクが高く、専門知識が無いまま行うのはおすすめできません。

Q. 賃貸物件でもDIYはできますか?

契約内容によります。特に壁の撤去や造作を伴うDIYは、退去時の原状回復義務に影響することがあるため、事前に大家さんや管理会社に確認しておきましょう。

Q. 業者に見積もりを頼むとき、何を伝えればいいですか?

工事範囲(電気・水道・構造部分)と、自分でDIYする部分を明確に伝えましょう。範囲を分けて伝えることで、業者側も無駄のない見積もりを出しやすくなります。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。