メニューの「所要時間」、なんとなくで決めていませんか?
「カットは60分」「カラーは90分」——多くのサロンが、メニューごとの所要時間をこうした大まかな目安で設定しています。日々の運用ではそれで十分なことも多いのですが、この「なんとなくの数字」が、予約枠のズレや、お客様を待たせてしまう原因になっていることがあります。
この記事では、所要時間の見積もりがズレることで何が起きるのか、そしてどう精度を上げていけばいいのかを整理します。
「思ったより時間がかかってしまい、次のお客様をお待たせしてしまった」——一度でもこの経験をしたことがある方は多いはずです。悪気があるわけでも、手際が悪いわけでもなく、単に見積もっていた時間と実際にかかる時間にズレがあっただけ。それでも、待たされたお客様にとっては「時間にルーズなお店」という印象になりかねません。忙しい日ほど、この小さなズレが積み重なって大きな遅れになりやすいものです。日々の運用の中で、このズレをどう埋めていけばいいのかを考えてみましょう。
所要時間のズレが引き起こすこと
所要時間の見積もりが甘いと、単に「時間が押す」だけでは済みません。連鎖的に影響が広がっていきます。
- 1件目が押すと、2件目以降のお客様も連鎖的に待たされる
- 同時受付で組んでいた予定が崩れ、放置時間中の作業ができなくなる
- スタッフの休憩・退勤時間が後ろ倒しになる
- お客様の予定(次の用事など)に間に合わず、クレームにつながることもある
特に厄介なのは、1件のズレが後続のすべての予約に波及することです。15分のズレでも、その日の後半になるほど積み重なって、閉店間際には30分以上のズレになっている——ということも珍しくありません。
さらに見落とされがちなのが、遅れによる精神的な負担です。時間に追われながらの施術は、どうしても余裕がなくなり、お客様との会話やカウンセリングが手薄になります。技術自体は変わらなくても、「今日は落ち着いて話を聞いてもらえなかった」という印象がお客様に残ってしまうと、それは所要時間の見積もりミスが招いた、本来防げたはずの機会損失だと言えます。
「だいたいの時間」で決めてしまう理由
多くのサロンで所要時間が「なんとなく」になってしまうのには理由があります。開業当初にキリのいい数字(30分単位・60分単位など)で決めてしまい、その後見直す機会がないまま運用が続いているケースがほとんどです。
また、同じメニューでも、髪の長さ・毛量・髪質によって実際の所要時間は大きく変わります。ショートの方とロングの方でカラーの塗布時間が同じはずはないのに、メニュー表の所要時間は一律、という状態は多くのサロンで見られます。
もう一つの理由は、単純に「見直すきっかけがない」ことです。日々の忙しさの中で、所要時間の設定を振り返る時間を意識的に作らない限り、開業時のまま何年も運用が続いてしまいます。技術が上がって施術スピードが変わった場合でも、予約枠の設定はそのまま、というケースはよくあります。

実測から見積もりを組み立てる
所要時間の精度を上げる、いちばん確実な方法は実測です。特別な道具は必要なく、スマホのタイマーやメモで十分です。
所要時間は、複数メニューの組み合わせでも変わる
カット+カラー、カット+パーマのように、複数メニューを組み合わせる場合は、単純な足し算にならないことも多くあります。
| 組み合わせ | 単純合計 | 実際の目安 |
|---|---|---|
| カット単体 | 60分 | 60分 |
| カラー単体 | 90分 | 90分 |
| カット+カラー | 150分 | 120〜130分(工程を重ねられる) |
カットとカラーを組み合わせる場合、カラーの放置時間中にカットの一部を進められることがあり、単純に時間を足すよりも短く済むケースがあります。逆に、縮毛矯正とカラーの組み合わせのように、髪への負担を考慮して間隔を空ける必要があるメニューでは、単純合計より長くなることもあります。組み合わせごとの実測データを持っておくと、予約枠の精度がぐっと上がります。よく出る組み合わせから優先的に記録していけば、頻度の低い組み合わせは後回しにしても実務上は困りません。
所要時間の設定を、予約の仕組みに反映する
実測で精度を上げた所要時間は、日々の予約受付にそのまま反映できると、二重管理の手間がなくなります。メニューごとの所要時間を一度登録しておけば、複数メニューを組み合わせて選んだときの合計時間も自動で計算されるようにしておくと、予約を受けるたびに頭で計算し直す必要がなくなります。
Salon Oneでは、メニューごとに所要時間を設定でき、予約フォームで複数メニューを組み合わせて選ぶと、合計の所要時間が自動で表示されます。公開予約ページ側の空き状況にもこの所要時間がそのまま使われるため、実測した数字をひとつ登録するだけで、店内の予約もオンライン予約も同じ基準で管理できます(予約受付のしくみについて詳しくはこちら)。数字を一度整えてしまえば、あとは日々の予約入力のたびに悩む必要がなくなるので、実測にかけた手間は長い目で見れば十分に回収でき、日々の予約対応がぐっと楽になり、無理のないスケジュールで働き続けられます。
- 所要時間のズレは1件の遅れで終わらず、後続の予約全体に連鎖して積み重なっていく。
- 「なんとなくの数字」は、開業当初に決めたまま見直されていないことが多い。髪の長さ・毛量による差も考慮できていないケースが多い。
- 実測は工程ごとに分解し、髪の長さ別に記録し、平均よりやや長めを採用するのが安全な進め方。
- 複数メニューの組み合わせは単純な足し算にならないことが多く、組み合わせごとの実測データが役立つ。
- 実測した所要時間を予約の仕組みに反映しておけば、予約を受けるたびに計算し直す手間がなくなる。
メニューの所要時間を、予約枠にそのまま反映
Salon Oneでは、メニューごとの所要時間を登録しておくと、複数メニューを組み合わせたときの合計時間が自動で計算されます。公開予約ページの空き状況にも同じ基準がそのまま使われます。
無料ではじめるよくある質問
Q. 所要時間はどのくらいの頻度で見直せばいいですか?
決まった頻度はありませんが、施術のやり方を変えたときや、頻繁に時間が押すようになったと感じたときが見直しのタイミングです。半年に一度程度、実測し直すサロンもあります。新しいメニューを追加したときも、あわせて見直しておくと精度を保ちやすくなります。
Q. 新人スタイリストと自分とで所要時間が違う場合はどうすればいいですか?
同じメニューでも、経験年数によって所要時間は変わります。可能であれば担当者ごとに所要時間を分けて設定し、無理のない予約枠を組むことをおすすめします。新人のうちは余裕を持たせておき、慣れてきたら短くしていくのが現実的です。
Q. 所要時間を短めに設定すれば、より多くの予約を受けられますか?
短期的には受付件数を増やせるかもしれませんが、実態より短い設定は必ず時間の遅れとして跳ね返ってきます。結果的にお客様を待たせることになり、満足度を下げるリスクの方が大きいです。目先の件数より、正確な見積もりを優先する方が長い目で見て信頼につながります。
Q. オプションメニューの時間はどう扱えばいいですか?
オプションも本体のメニューと同様に、実測してから所要時間を設定するのが安全です。「+15分」のような目安だけでなく、実際にどのくらい追加でかかるかを確認しておくと精度が上がります。特に追加が多いオプションほど、積み重なるとズレが大きくなりやすいので優先的に確認しておくとよいでしょう。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。