インボイス登録してないと報酬減額?と言われたら、どうする?
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インボイス登録してないと報酬減額?と言われたら、どうする?

業務委託やシェアサロンで働く中で、契約しているサロン側から「インボイスに登録していないなら、その分報酬を下げさせてほしい」と言われた——そんな相談は少なくありません。免税事業者のままでいるという選択をしただけで、一方的に報酬を下げられてしまうのは、素直に受け入れていいものなのでしょうか。

この記事では、こうした場面で一度立ち止まって確認したいポイントを整理します。税務や契約の最終的な判断は専門家に相談しながら、まずは状況を整理する材料として使ってください。

報酬を下げられるかもしれないという不安は、日々の生活に直結する切実な問題です。だからこそ、感情に流されて即座に受け入れる前に、一度立ち止まって考える価値があります。

個人事業主の美容師がひとりで抱える仕事

「インボイスに登録しないと取引を続けられないかもしれない」というプレッシャーは、フリーランスにとって、想像以上に重くのしかかります。ただでさえ技術と経営の両方を背負っているのに、制度の話でまで気をもまなければならないのは、正直しんどいものです。

だからこそ、感情的にならず、何が問題になっているのかを一つずつ整理することが大切です。この記事がその手助けになれば幸いです。

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そもそも、なぜ「報酬を下げたい」と言われるのか

取引先(サロン側)が課税事業者である場合、免税事業者からの仕入れ・外注費については、原則として消費税の仕入税額控除が使えなくなります(経過措置により一定期間は一部控除できます)。つまりサロン側から見ると、免税事業者に払う報酬に含まれる消費税分を、そのまま自社の負担として抱えることになる、という理屈です。

取引先の言い分仕入税額控除が使えない分、実質的なコストが増える
美容師側の事情売上規模的に、課税事業者になるかどうかは本来自由な選択

この理屈自体は、制度上まったくのでたらめというわけではありません。ただし、それをどう伝え、どう交渉するかには、守るべきルールがあります。取引先が悪意を持っているとは限らず、単に制度への理解が浅いまま、一方的な通告をしてしまっているケースも少なくありません。

一方的な報酬引き下げは、独占禁止法・下請法の問題になり得る

国(公正取引委員会・中小企業庁)は、インボイス制度を理由にした一方的な価格の引き下げについて、注意を呼びかけています。特に、次のような対応は問題になり得るとされています。

問題になり得る対応の例
  • 免税事業者であることを理由に、一方的に、著しく低い報酬額を提示する
  • 十分な協議なく、取引条件を一方的に変更する
  • インボイス登録を強要し、応じなければ取引を打ち切ると一方的に通告する

一方で、双方が十分に協議した上で、双方が納得する形で報酬を見直すこと自体は、直ちに問題になるわけではありません。ポイントは「一方的かどうか」「著しく不利益な内容かどうか」です。契約書の確認方法は業務委託契約、ここは必ず確認しても参考にしてください。

特に、これまで何年も同じ条件で取引を続けてきた相手から、突然、大幅な引き下げを一方的に通告された場合は、その進め方自体に問題がある可能性があります。金額の妥当性だけでなく、伝え方や手続きのプロセスにも注目してみましょう。

一方的な報酬引き下げは、独占禁止法・下請法の問題になり得る

まず確認したい3つのこと

報酬の引き下げを打診されたら、慌てて応じる前に、次の点を確認しましょう。

1
どのくらいの引き下げなのか消費税相当額(一般的には報酬の10%程度)を大きく超える引き下げではないか。
2
協議の機会があったか一方的な通告ではなく、話し合いの場が設けられたか。
3
契約内容の変更として適切な手続きを踏んでいるか契約書の変更や、書面での合意といった手順が取られているか。
ポイント: 「言われたから仕方ない」と感情的に受け入れる前に、まずは事実関係(金額・経緯)を整理しましょう。それだけでも、次にどう動くかの見通しが立てやすくなります。

自分の選択肢を整理する

報酬の引き下げを打診されたときの選択肢は、一つではありません。

選択肢考え方
インボイス発行事業者に登録する課税事業者になり、消費税の申告義務が生じる代わりに取引条件を維持できる可能性
免税事業者のまま、引き下げ幅について交渉する消費税相当額を超える一方的な引き下げでないかを確認し、妥当な範囲での見直しを話し合う
取引条件が折り合わなければ、他の契約先を検討する状況によっては、契約解除や別のサロンとの契約も選択肢になる

インボイス登録をするかどうかの判断材料はインボイス、フリーランス美容師が損しないためのチェックポイントインボイス登録で知っておきたい『2割特例』の仕組みで整理しています。契約解除を切り出された場合の初動は業務委託・面貸しで契約解除を言われたとき、まず何をすればいい?も参考にしてください。

一人で抱え込まず、相談窓口を頼る

取引先との力関係の中で、フリーランス側が声を上げにくいのは自然なことです。だからこそ、行政の相談窓口が用意されています。

1
公正取引委員会・中小企業庁の相談窓口インボイス制度に関連した取引上の問題について相談できる窓口が設けられています。
2
フリーランス・トラブル110番フリーランスと発注者間のトラブル全般について相談できる窓口があります。
3
税理士・弁護士個別の契約内容や税務上の判断について、専門家に相談する。

「相談したら関係が悪化するのでは」と不安になるかもしれませんが、まずは事実確認と情報収集のために相談するだけでも、状況を整理する助けになります。相談内容が取引先に伝わることを心配する人もいますが、多くの窓口は秘密が守られる形で対応してくれます。

制度の話だからこそ、冷静に

インボイス制度は複雑で、取引先自身も正確に理解しないまま話を進めてしまっていることがあります。だからこそ、感情的な対立にせず、お互いに事実と制度を確認しながら話し合うことが、長い目で見て良い関係を保つことにつながります。

今日からできること: もし報酬の引き下げを打診されたら、まずは金額と経緯をメモに残しましょう。そのうえで、自分がインボイス登録をするかどうかをあらためて検討し、必要であれば公的な相談窓口や専門家に相談することをおすすめします。

取引先との関係を大切にしたい気持ちと、自分の生活を守りたい気持ち、その両方を大事にしながら、落ち着いて一歩ずつ進めていきましょう。

この記事のまとめ
  • 取引先が『仕入税額控除が使えなくなる』ことを理由に報酬引き下げを打診するケースがある
  • 一方的・著しく不利益な引き下げは独占禁止法・下請法上の問題になり得る
  • 引き下げ幅・協議の有無・手続きの適切さをまず確認する
  • インボイス登録/交渉/契約先の見直しなど、選択肢は一つではない
  • 公正取引委員会やフリーランス・トラブル110番など、相談できる公的窓口がある
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よくある質問

Q. インボイス未登録を理由に取引を打ち切られることはありますか?

一方的な取引の打ち切りや著しく不利益な条件変更は問題になり得ます。まずは経緯を整理し、必要であれば公正取引委員会やフリーランス・トラブル110番などの窓口に相談することをおすすめします。

Q. 報酬引き下げの相談にはどのくらい応じるべきですか?

一律の答えはありませんが、消費税相当額を大きく超える引き下げや、協議のない一方的な通告には注意が必要です。金額の妥当性を確認してから判断しましょう。

Q. インボイス登録すれば、この問題は解決しますか?

登録すれば取引条件の維持につながる可能性はありますが、消費税の申告義務が新たに発生します。登録の要否はインボイス、フリーランス美容師が損しないためのチェックポイントを参考に、総合的に判断してください。

Q. 相談窓口を使うと、取引先との関係が悪化しませんか?

相談自体は事実確認や情報収集が目的であり、直ちに関係悪化につながるものではありません。まずは状況を整理する目的で活用することをおすすめします。

Q. 口頭で報酬引き下げを言われただけでも記録すべきですか?

はい。日付・金額・伝えられた理由をメモに残しておくことをおすすめします。後から相談する際にも、経緯を正確に説明できる材料になります。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。