電子帳簿保存法、レシートは紙で残してもいい?
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電子帳簿保存法、レシートは紙で残してもいい?

「電子帳簿保存法」という言葉を聞くと、「レシートを全部スキャンして、紙は捨てないといけないのでは」と身構えてしまう方もいるかもしれません。実際には、対象となる書類と、これまで通り紙のままで問題ない書類とで、扱いが分かれています。

この記事では、レシートの保存について、何が義務で何がそうでないのかを整理します。

個人事業主の美容師がひとりで抱える仕事

法律の名前を聞くだけで、「何か新しく大きな作業が増えるのでは」と不安になるのは自然なことです。ただでさえ日々の業務で手一杯なところに、さらに負担が増えるかもしれないという不安は、後回しにしたくなる気持ちにもつながります。この記事が、その不安を具体的な理解に変える助けになればと思います。

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対象は『紙のレシート』ではなく『電子データ』

電子帳簿保存法で義務化されているのは、もともと電子データとして受け取った取引情報(電子取引データ)の保存方法です。お客様から紙で受け取ったレシートや、自分がお店で受け取った紙の領収書そのものについては、この義務化の直接の対象ではありません。

紙で受け取ったレシートこれまで通り紙のまま保存してよい(スキャン保存は任意)
メールやサイトで受け取った領収書電子データのまま保存することが義務

具体的に、何が『電子取引データ』にあたるか

「電子データ」と言われても、何が該当するのかイメージしにくいかもしれません。美容室の業務でよくあるものを整理すると、次のようになります。

電子取引データにあたる例これまで通り紙でよい例
ネット通販で購入した薬剤の領収書(PDF・メール添付)お客様に手渡しで受け取ったレシート
サブスクサービスの利用明細(画面上のみ)店舗で買い物をした際に紙で受け取った領収書
クレジットカードの利用明細(Web明細のみの場合)印刷して受け取った請求書

ポイントは「最初から電子データとしてやり取りしたものは、電子データのまま保存する」という点です。紙で受け取ったものをわざわざ電子化する義務はありません。

具体的に、何が『電子取引データ』にあたるか

紙のレシートを電子化するのは、あくまで任意

「スキャナ保存制度」という仕組みを使えば、紙のレシートをスキャンして電子データとして保存し、原本を処分することもできます。ただし、これはあくまで任意の制度であり、紙のまま保存を続けても法律上の問題はありません。

1
紙のまま保存を続けるこれまで通りの管理方法で、法律上の義務は満たせる。
2
スキャナ保存に切り替えるスキャンして電子データ化し、紙の原本を処分できる(要件あり)。
ポイント: 紙の保管スペースに困っていなければ、無理にスキャナ保存に移行する必要はありません。

それでも整理しておきたい理由

法律上の義務ではなくても、紙のレシートをただ溜め込んでいくと、確定申告の時期にまとめて整理する負担が重くのしかかります。レシートを財布に溜め込んでいませんか?『あとでまとめて』が招く確定申告の落とし穴でも触れているように、紙のまま保存する場合も、日々の整理は別の意味で大切です。

薬剤や店販の仕入れも、購入方法で分かれる

美容室の業務でよくある薬剤や店販商品の仕入れも、購入方法によって扱いが変わります。問屋やメーカーの店頭で紙の納品書・領収書を受け取っている場合は、これまで通り紙のまま保存できます。一方、オンライン発注でPDFの請求書や納品書を受け取っている場合は、電子データのまま保存する対象になります。同じ仕入れでも、注文方法によって扱いが変わる点には注意が必要です。

混同しやすい点を、あらためて整理する

電子帳簿保存法に関する不安の多くは、「義務化された部分」と「任意の便利な仕組み」を混同していることから生まれます。義務化されているのは電子データを電子データのまま残すことであり、紙をすべて電子化することではありません。この違いを理解しておくだけで、余計な不安はかなり軽くなるはずです。

紙でも電子でも、探しやすく記録しておく

保存方法が紙であれ電子データであれ、大切なのは必要なときにすぐ見返せる状態にしておくことです。制度への対応そのものより、日々の記録の積み重ねのほうが、確定申告の負担を左右します。

Salon Oneの確定申告サポートでは、経費管理・勘定科目の記録・CSV出力に対応しています。紙のレシートを保存しつつ、日々の金額だけはアプリに記録しておくことで、電子帳簿保存法への対応に振り回されず、確定申告の準備を進められます。

この記事のまとめ
  • 電子帳簿保存法で義務化されているのは、電子データを電子データのまま保存すること
  • 紙で受け取ったレシートや領収書は、これまで通り紙のまま保存してよい
  • 紙のレシートを電子化する『スキャナ保存制度』は任意であり、必須ではない
  • 義務化された部分と任意の便利な仕組みを混同すると、余計な不安につながりやすい
  • 紙でも電子でも、必要なときにすぐ見返せる記録にしておくことが確定申告の負担を左右する
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よくある質問

Q. 紙のレシートは、すべて捨ててもいいのですか?

スキャナ保存制度の要件を満たして電子化し、原本を処分するという方法もありますが、任意です。紙のまま保存を続けても問題ありません。

Q. ネット通販で買った薬剤の領収書は、印刷して保存してもいいですか?

電子データとして受け取ったものは、電子データのまま保存することが原則求められます。詳しい要件は国税庁の案内をご確認ください。

Q. クレジットカードの利用明細は、どう扱えばいいですか?

Web明細のみで受け取っている場合は電子データとしての保存が求められます。紙の明細書を別途受け取っている場合は、その紙を保存する形でも問題ありません。

Q. 対応を怠ると、何かペナルティがありますか?

義務化された部分への対応を怠ると、税務調査の際に指摘を受ける可能性があります。不安な場合は税理士や税務署に相談することをおすすめします。

Q. 面貸し・業務委託でも、この考え方は同じですか?

同じ考え方が適用されます。所属形態に関わらず、事業に関する取引データの保存義務は共通しています。

Q. 薬剤をオンラインで発注した場合、請求書はどう保存すればいいですか?

PDFなど電子データで受け取った請求書は、電子データのまま保存することが原則です。印刷して紙で保存するだけでは要件を満たさない場合があります。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・仕様の詳細は各提供元や専門家の最新情報をご確認ください。